2022年5月16日 公開
オンキヨーホームエンターテイメント(株)|大阪府東大阪市
【業種】 オーディオ関連事業
【倒産形態】 破産手続開始決定
【負債総額】 31億円内外
特別情報大阪版(H24.5.31、H31.3.28、R1.5.23、R2.10.29、R3.4.8他)、大阪支社情報会(H27.2、H30.4、R2.10、R3.4他)、弊社各地情報会などでも既報。5月13日付で大阪地裁へ破産手続開始の申立を行い、同日破産手続開始決定を受けた。申立代理人は山岸 正和弁護士(協和綜合法律事務所、大阪市北区角田町8-1 大阪梅田ツインタワーズ・ノース34階、TEL 06-6311-8800)、破産管財人には小松 陽一郎弁護士(小松法律特許事務所、大阪市北区中之島2-2-2 大阪中之島ビル8階、TEL 06-6221-3358)が選任されている。負債総額は同社発表によると31億円内外。
昭和21年に設立した(株)大阪電気音響社が母体で、昭和46年にオンキヨー(株)に商号変更、平成15年に店頭公開を果たした。その後、グループ再編により平成22年に現在の同社を設立し、同年ジャスダックに新規上場した。国内でも有数の音響機器メーカーで当時、山水、マランツと肩を並べる名門として確固たる地位を築いてきた。
しかし、音響機器を取り巻く環境は時代の流れとともにレコードからCD、デジタル音源によるネット配信へと変化し、近年ではスマホなどの普及に伴って同社製品のような音響機器離れが加速、慢性的な赤字体質に陥るなど経営不振に陥った。
打開策としてパイオニアなど複数の同業者との業務提携を相次いで進めたが、どれも思うような成果にはつながらず互いに傷を深めるなど、赤字体質からの脱却にはつながらなかった。
業績不振に伴って資金繰りも悪化し、平成31年には29億円内外もの多額の支払い遅延が表面化した。起死回生に打ち出した本業であるホームAV事業の売却が二転三転するなど迷走し、令和2年3月期に98億円もの当期損失を計上したことで債務超過に転落。令和3年3月期も60億円近い赤字を計上し債務超過からの脱却が困難となり、令和3年7月に上場廃止を余儀なくされた。
上場廃止後にようやくホームAV事業の売却にこぎつけたが、コロナ禍により、ずれ込んだことで資金計画が狂う事態となり、年明けには子会社のオンキヨーマーケティング(株)(法人番号:9010001136817、東京都墨田区横網1-10-5、2月9日付本情報号外で既報)、オンキヨーサウンド(株)(法人番号:9122001034114、大阪府東大阪市川俣1-1-41、2月9日付本情報号外で既報)の2社が今年3月に破産手続開始に至ったことで一気に信用不安が加速。
その後も自力での再建を模索したが、魅力ある事業も切り売りで乏しく「ONKYO」というブランドロゴに再生の力は残っておらず、名門には“破産”という選択肢しか残っていなかった。
業種 | オーディオ関連事業 |
倒産形態 | 破産手続開始決定 |
所在地 | 大阪府東大阪市川俣1-1-41 |
設立 | 平成22年10月 |
創業 | 昭和20年9月 |
従業員 | 356名 |
代表者 | 林 亨、他1名 |
資本金 | 1億円 |
年商 | 88億3,000万円内外(3/3) |
負債総額 | 31億円内外 |