2021年5月18日 公開
(株)テクノシステム|横浜市西区
【業種】 再生可能エネルギー関連事業
【倒産形態】 弁護士一任
【負債総額】 150億円内外
特別情報東京版(H27.6.17、H28.6.1、R3.3.2)および東京支社月例情報会(H28.5.26、H31.2.26、R3.2.25)で既報。5月17日までに債務整理を高柳 孔明弁護士(リーガルキュレート総合法律事務所、東京都港区新橋1-16-4 りそな新橋ビル8階、TEL 03-6206-1436)へ一任、6月上旬に東京地裁へ民事再生手続開始を申し立てる方針を示している。負債総額は150億円内外(うち金融債務は90億円内外)で神奈川県内では今年最大となる。
平成21年1月に創業し、平成21年12月に法人化した再生可能エネルギー開発・運営会社。業務用調理機器や浄水装置の製造も手掛けている。当初は食材定量吐出装置のデリシャスサーバーや海水の淡水化システムの開発販売を手掛けていたが、平成24年ごろより再生可能エネルギー事業へ参入した。その後はバイオマス発電および太陽光発電施設の開発・運営などで業容を拡大し、令和元年11月期には売上高161億3,900万円内外を計上した。
近年はSDGs(持続可能な開発目標)を看板として掲げ、小泉 純一郎元首相の長男である小泉 孝太郎氏をイメージキャラクターに起用。令和2年8月14日と令和2年9月4日の日本経済新聞で小泉元首相と生田 尚之社長との対談記事を掲載するなど、イメージアップを図り、株式の上場を目指していた。
しかし、30行内外の金融機関から調達した多額の借り入れは重荷となり、令和2年12月末ごろから、支払いの遅れがささやかれるようになっていた他、金融関係者の間では以前にも増して同社の資金需要への高まりに関心が集まっていった。更に、週刊新潮(令和3年2月25日号)で「金融庁が調査厳命!クリーン装い200億円調達の果て日没した『太陽光発電会社』の広告塔は『小泉純一郎』」の記事が掲載されて以降、緊張感は急激に高まった。
記事では、SBIソーシャルレンディング(株)(法人番号:5010401073969、東京都港区、SBIホールディングス(株)(東証1部上場)子会社、以下SBISL)を通じて集めたプロジェクト資金の一部を、対象のプロジェクトに充当せず、複数の会社を経由して借入金の返済に充てていた恐れがあることや決算日に数億円を親密先から相応の金利で借り入れ、翌日に返済していたことにも言及した。
こうした中、SBISLが2月5日付で「第三者委員会設置に関するお知らせ」をリリースし、同社は金融機関などに対する2月末の返済が不履行となった。3月1日にはみなとみらいの本社に多数の債権者が押しかけ、会社側は対応に追われた。
その後、SBIホールディングスが4月28日、インターネットで投資を募って企業に貸し付けるソーシャルレンディング事業で平成29年から令和2年まで、同社に計383億円内外を融資したが、このうち計129億円内外は融資の名目だった太陽光発電に使われていなかったとする第三者委員会の調査報告書を公表した。
更に、同社については金融機関から融資金数億円をだまし取ったとして、4月27日、東京地検特捜部が本社などを詐欺容疑で家宅捜索したとの報道も出た。
令和2年夏ごろ、バイオマス発電事業を巡り、金融機関に虚偽の書類を提出し、融資金数億円をだまし取った疑いで現在も捜査が進められているとしており、同社の関係先への影響も含めて今後の動向に注目が集まっている。
3月に入ってからは同社の本社事務所入り口のドアには「取引各位様 只今、担当者不在の為留守にしております。お手数でございますが下記の電話番号までお電話くださいませ」などと記された貼り紙がされるなど、事実上の事業停止を余儀なくされていた。信用は大きく失墜し、資金調達は困難となるなど、同社独自での事業再建は困難と判断、今回の事態となった。
業種 | 再生可能エネルギー関連事業 |
倒産形態 | 弁護士一任 |
所在地 | 横浜市西区みなとみらい2-2-1 横浜ランドマークタワー19階 |
設立 | 平成21年12月 |
創業 | 平成21年1月 |
従業員 | 65名 |
代表者 | 生田 尚之 |
資本金 | 10億5,048万7,615円 |
年商 | 56億3,700万円内外(2/3) |
負債総額 | 150億円内外 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2021年03月02日
2016年06月01日
2015年06月17日
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