2021年3月10日 公開
東証1部の測量・再生可能エネルギー事業G社~MBO失敗で主力子会社売却へ|特別情報
著名アクティビストX氏が仕掛けたTOBに翻弄され、多額の特別配当と主力事業会社2社の売却を余儀なくされている。不動産業としてスタートした当社は、平成3年から全自動テレマーケティングシステムの開発・販売事業へ業態転換し、16年に東証マザーズへ上場した。その後、21年2月にY氏が取締役を務めるZ社を同社が吸収合併して現商号に変更し、同年6月にY氏が代表に就任した。大手証券会社出身のY氏はZ社のころからM&Aに積極的で、平成18年にはU社(のちにG社に吸収合併)の筆頭株主になっている。その後もM&Aで業容を拡大し、令和2年3月末現在で連結子会社は99社にも及んでいる。しかし、事業の多角化で経営資源が分散する一方、有利子負債は907億円に膨らみ、金融機関からの資金調達が困難となってきたことに加え、戦略的意思決定の迅速化やガバナンスの強化を目的に、昨年9月にMBOを実施すると発表した。直接の買付者は外資系ファンドが組成するSPCで、買付期間を12月21日までの31営業日、買付価格を1株600円とし、総額274億円で完全子会社にすることとした。MBO成立後、当社は子会社であるV社とW社の株式を対価にカーライルからすべての当社株式を取得して自己株式にし、第三者割当方式でY氏に10%を、Y氏が代表を務める法人に90%を譲渡するスキームにしたが、結果的にわずか60百万円の出資で当社の全株式を取得することになる。これに異を唱えたのがX氏率いる投資会社である。そこで同社もTOBで応戦し、買取価格を20%増しの840円に設定して全株式を取得すると発表した。すると両社による買取価格のつり上げ合戦が繰り広げられ、最終的には当社側が1,200円、投資会社は1,210円の設定となった。一方、投資会社に指摘されたY氏らは出資額を60百万円から24億96百万円にして折り合いをつけようとした。この間、MBOのリリースを出した時の株価352円は2月5日には1,326円まで跳ね上がり、ついに外資系ファンド側からMBOを断念すると発表した。後ろ盾をなくした当社は買収防衛策を打ち出し、特別配当300円の実施を発表した。配当総額は82億円になる。このほか、グループの中心的な事業会社であるV社とW社を売却してグループの企業価値の下落を図り、「第2の創業」として主力2社抜きの新たなビジネスモデルを模索する一方、売却で得られる資金で・・・
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