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2021年2月10日 公開

東証1部の化粧品大手C社~骨肉の争い|特別情報

故X前社長から甥にあたるY現社長に譲渡された関連会社の株式をめぐる裁判で東京地裁は1月29日、契約書は偽装された可能性があるとして株式譲渡は無効との判決を言い渡した。平成12年11月に死去したX氏の遺産をめぐっては、グループのα社の株式はβ社に寄付し、α社株式以外の財産は甥にあたるY氏が相続する「死因贈与」が行われたと主張するY氏と、X氏の妻で法定相続人であるZ氏の間で争われたが、16年7月に最高裁はY氏の主張を却下し、Z氏が4分の3を、残り4分の1はX氏の兄弟たちが相続する判決が下された。これで遺産相続問題は解決したかに見えたが、29年12月に元常務のU氏が、X氏が所有していた美術品839点(評価額計約28億円)のβ社への「寄付確約書」とX氏が保有していたγ社のY氏への「株式譲渡契約書」は偽造されたものとの内部告発をした。ナンバー2で社長の座を狙っていたU氏はY社長の退陣を迫ったものの返り討ちにあい、δ社に出向させられた腹いせに内部告発したとされている。内部告発を聞いたZ氏は信ぴょう性が高いとして改めて提訴に踏み切った。この2件は別々に審理され、昨年3月に美術品の「寄付確約書」に対して言い渡された判決ではY氏側の勝訴となった。しかし、その理由は「二度と裁判で争わないと約束した過去の両者の合意による」というもので、Y氏に対する疑惑までは踏み込まず、後味の悪い結果となった。一方、γ社の「株式譲渡契約書」に出された判決では、「契約書は偽造の可能性が高い」としてY氏の主張が退けられた。Y氏が取得したγ社の株式は約69万株で、1株1円で取得している。当時の時価評価は2,000億円近くになるというから、ただ同然で取得したようなもの。そして18年9月にグループを持株会社制へ移行するためにC社が設立されると同年12月にγ社を合併、この時、Y氏が保有するγ社株式約69万株はC社株式約4,191万株に転換され22%を保有する第2位の株主となり、自らが代表を務めるβ社と合わせると56%となった。Y氏が取得したγ社株が偽造された契約書によるものであれば、転換されたC社株式約4,191万株は相続のやり直しが行われ、Z氏は4分の3にあたる約3,143万株を相続し約19%を保有する第2位の株主となり、Y氏の保有割合は・・・

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