2020年7月10日 公開

(株)ボルテックス、他1社｜東京都日野市

【業種】 電源機器製造卸
【倒産形態】 破産手続開始決定
【負債総額】 10億円内外（2社合計）

同社と関係会社の(株)ボルテックスシステム（法人番号：5013401005017、同所、同代表、資本金1,000万円）は、7月1日に東京地裁より破産手続開始決定を受けた。破産管財人は佐々木 英人弁護士（阿部・井窪・片山法律事務所、東京都中央区八重洲2-8-7 福岡ビル、TEL 03-3273-2600）が選任された。負債総額は、同社が7億円内外、(株)ボルテックスシステムが3億円内外、2社合計で10億円内外が見込まれている。破産債権の届出期間は7月29日まで。

昭和45年5月に創業し、昭和48年3月に法人化した電子電源機器装置製造業者。主力の電源装置製造はほぼ外注で手掛け、医療機器や半導体製造装置、情報通信機器メーカーなどに営業基盤を構築していた。ピークを迎える平成21年3月期売上高は9億8,700万円内外を計上した。その一方で、平成12年7月に新築した新本社ビルに充てた有利子負債が重くのしかかり、経営を圧迫したため、平成19年2月に設立した100％出資子会社の(株)ボルテックスシステムに本社不動産を平成19年3月に売却。以降は本社ビルをリースバックでそのまま利用していたが、多額の売却損が生じたため財務の棄損を招いていた。

また、平成17年2月に中国の青島に100％出資の現地法人を設立し、内製化を進めて収益性の改善を図ったが、医療費抑制の余波などを受けて受注が落ち込み、業績は低調に推移。平成30年3月期売上高は1億4,400万円内外まで後退し、金融機関のリスケジュール対応を受けながら立て直しを図るも、今年から感染拡大した新型コロナウイルスの影響によって中国からの輸入が約1カ月間停止したため、資金繰りがひっ迫。支えきれずに事業継続を断念した。