2019年8月28日 公開
東証1部のリチウムイオン電池部材メーカーN社~悪魔の錬金術で株価急落|特別情報
今年12月期の業績予想を下方修正し、3期連続赤字が避けられない。先行投資ですでに過剰債務を抱えており、8月20日証券会社に対し、行使価格修正条項付の新株予約権(MSワラント)を発行すると発表し、翌日朝から株価がストップ安まで急落している。
リチウムイオン電池の主要部材である「セパレータ」と呼ばれる絶縁材の専業メーカーで、代表の母国である韓国に製造拠点を置く。平成23年12月に東証マザーズに上場し、27年11月に東証1部に昇格している。前期は中国市場で助成金政策の変更が逆風となり、大幅赤字となった。
今期は黒字転換を見込んでいたが、今度は米中貿易戦争の影響で中国向けの出荷が急減しており、売上高が130億円と期首予想を45億円も下回る結果、営業損益段階で26億円もの赤字となりそう。中期的には電気自動車向けの市場拡大により令和4(2022)年12月期に売上高450億円、営業利益100億円規模へ大躍進すると見込んでいる。すでにこの計画に沿って巨額の投資をおこなってきた結果、今年6月末の有利子負債は354億円に達しており、しかも現在も複数の投資案件でキャッシュアウトが続いている。
今回、これ以上の借入は「財務健全性の低下につながる」として断念し、前述のとおりMSワラントの発行で42億円余りの調達を目指すと発表した。MSワラントは「悪魔の錬金術」とも呼ばれるきわどい調達手段。今回の当社の場合は行使価格が直前の株価の・・・
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