2018年10月24日 公開
東証1部のプラント大手O社~カナダで270億円の請求受ける|特別情報
前期は米国向けエチレン製造設備プロジェクトの工事コストの大幅な増加などで329億円もの営業赤字に陥り、今年4月から社長交代で出直すことになったが、今度は10月10日付でカナダの子会社が受注したオイルサンド処理設備に関し、得意先から巨額の支払いを求める仲裁を申し立てられ、影響が懸念されている。仲裁を申し立てたのはカナダでオイルサンドの探鉱開発などを手がけるX社。カナダ法に基づき、当社とカナダの子会社を相手取ってカルガリーで申し立てた。このオイルサンド処理設備は昨年2月に完成したが、契約時点の平成25年9月に設定されていた目標コストに対し、実際の工事費用が大幅に超過したことに伴い、X社が蒙った損失の補填として少なくとも3億カナダドル(日本円で約270億円)を請求するというもの。270億円といえば、当社の6月末時点の連結純資産を上回り、仲裁の結果は財務内容に決定的な影響を与えうる。当社はリリースで「工事部分は実費精算の契約であり、X社による請求は法的根拠に欠けるため、受け入れられない。仲裁手続を通じて正当性を主張する」と応じているが、X社の親会社は国策企業を前身とする東証1部のY社。単なるブラフで申し立てているとも考えにくい。前期は268億円の最終赤字による財務内容の悪化で金融機関との借入契約に付されている財務制限条項にヒットし、有価証券報告書に「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況にある」との記載を余儀なくされる事態となった。4-6月期に条項の適用免除および変更契約の締結ができたため同期の四半期報告書で記載は消えたが、自己資本比率は10%割れともの足りない。広報担当者は取材に対し・・・
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