2018年2月28日 公開
久栄漁業(株)|青森県八戸市
【業種】 底引き網・イカ釣り漁業
【倒産形態】 破産手続開始申立準備
【負債総額】 14億円内外
2月27日に事業を停止し、事後処理を熊谷 清一、山田 秀隆の両弁護士(弁護士法人あおば綜合法律事務所、青森県八戸市根城7-11-33、TEL 0178-47-3455)に一任して、破産手続開始申立の準備に入った。負債総額は債権者40名内外に対して14億円内外とされ、8億円内外が金融債務と見られる。
明治創業とされる老舗の漁業業者。自前の船も複数隻所有し底引き網漁とイカ釣り漁業を主体として、八戸魚市場へ大半を卸すなど長年地域密着型の経営を行ってきた。平成一桁の時代には年間15億円内外の売り上げがあり、老舗企業として知名度は高く、現代表の父に当たる前代表は、八戸市内にある学校法人の理事長も務めている。
しかし、赤字体質の経営が続いたことで財務面は債務超過に陥り営業規模を縮小。年商も八戸港の水揚げ不振の影響などからピーク時の1/3程度まで低下していた。この状況の中、2月27日、漁に出ていた操業員に夕方戻るよう連絡が入り、戻った全社員に事業を停止する旨が弁護士同伴の上発表され、同時に2月27日付で全社員を解雇したとされる。
2月13日には代表が交代しており、破産寸前のタイミングからいぶかしがる声も多く聞かれるが、2月末の支払いおよび決済が不調になる可能性が高いことで交代を行ったと見られている。事業停止は寝耳に水の状況で、戸惑いを隠せない取引先も多い模様。
長引く水揚げ不足で、二次業者に当たるイカ加工製品の製造業者は厳しい環境にあるが、一次業者には商品単価は落ち着いていたとされる。しかし、慢性的な赤字体質が深刻で、債務超過からも脱却できず、事業継続を断念した。
業種 | 底引き網・イカ釣り漁業 |
倒産形態 | 破産手続開始申立準備 |
所在地 | 青森県八戸市大字湊町字大沢52-3 |
設立 | 昭和40年12月 |
創業 | 明治20年 |
従業員 | 40名 |
代表者 | 柳谷 俊一 |
資本金 | 1,000万円 |
年商 | 5億3,000万円内外(28/12) |
負債総額 | 14億円内外 |