2017年8月31日 公開
安田商事(株)|北九州市八幡東区
【業種】 ステンレス鋼販売
【倒産形態】 破産手続開始申立準備
【負債総額】 21億2,000万円内外(28/9期末)
特別情報北九州版「動向注目」(H29.2.8)他および北九州支社情報会にて
既報。8月30日付で石渡 一史弁護士他2名(鴻和法律事務所、福岡市中央区赤
坂1-15-33 ダイアビル福岡赤坂401、TEL 092-731-6402直)に一任して、破産
手続開始申立の準備に入ったことが判明した。負債総額は精査中であるが、平
成28年9月末時点では21億2,000万円内外。
「安田釘」で知られる安田工業(株)(東京都千代田区)の子会社。安田工業
(株)は旧・安田財閥の傘下として、明治30年に東洋初の「釘」を製造した名門
である。関連には親会社の他、新栄商事(株)(仙台市太白区)、平成24年に
M&Aでグループ入りしたニチハツ工業(株)(福岡市南区)がある。
もともと、親会社の「釘」販売を目的にスタートしたが、昭和43年にはステ
ンレス鋼販売に着手。事業転換後は徐々に独自色を強め、九州、中国エリアを
中心に産業機械メーカー、鋼材商社など450社以上の顧客先を抱えるまでに成
長していた。また、製品加工による付加価値の向上にも努め、平成19年決算期
の好調時には年商56億円台、当期利益1億4,000万円内外を計上した時期もあっ
た。
しかし、平成20年決算期以降はニッケル価格の下ぶれなどに左右され、赤字
決算が慢性化。平成24年決算期では年商38億円台へ後退し、最終損失6,600万
円内外と業績確保に苦戦した経緯がある。以後、コスト削減に傾注し、黒字確
保は継続しているものの、薄利体質であることに加え、一部取引先に対して多
額の未回収債権が存在し、財務体質の実態を不安視する声があがっていた。
そうした課題を抱える中で、平成28年9月期決算では年商40億円台を維持し
たものの、在庫評価損や過年度修正損などの特別損失で最終損失9億円内外を
計上し、大幅債務超過に転落。平成28年12月には仕入れ先が債権譲渡登記を設
定するなど、信用面への影響も確認されていた。そのため、借り入れ返済の緩
和策や親会社による資金支援を受けながら経営再建を進めていたが、ついに8
月31日の決済資金にメドが立たず、今回の措置を選択した。
業種 | ステンレス鋼販売 |
倒産形態 | 破産手続開始申立準備 |
所在地 | 北九州市八幡東区枝光2-7-7 |
設立 | 昭和23年10月 |
創業 | 昭和23年10月 |
従業員 | 38名 |
代表者 | 中嶋 孝一 |
資本金 | 2,000万円 |
年商 | 41億5,300万円内外(28/9) |
負債総額 | 21億2,000万円内外(28/9期末) |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2017年2月8日
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