2016年9月14日 公開
東証2部の電子部品メーカーE社~カルテルの代償|特別情報
不当に価格をつり上げるカルテルが行われていたとして日米欧などの当局による立入検査を受けていたが、このほど米国司法省との司法取引が成立し、罰金を支払うことで合意した。しかし、現時点で合意に至ったのは米国のみで、他国の検査結果に関心が寄せられている。
かつては大手硝子メーカーを筆頭株主としていたが、業績の低迷により平成18年に投資会社から金融支援を仰いで再建を図ることとなった。26年には資本業務提携を目的に同業大手が投資会社から優先株を買い取り、1年後に普通株式に転換して筆頭株主となったが、実際は救済の意味合いが強いと見られている。
今回カルテルの疑いが持たれているのは国内メーカー約10社で、数年にわたって行われていたという。立入検査は日本、米国、欧州、中国、台湾の捜査当局により行われ、昨年11月、欧州委員会から欧州競争法違反の嫌疑があるとの異議告知書を受領している。翌月には台湾当局より課徴金の支払い命令が下されたが、当社はこれを不服として控訴している。
一方、米国司法省とは今年8月に司法取引が成立し、課徴金を支払うことで合意している。台湾と米国で対応が別れたのは、台湾の制裁内容について承服しがたい点が多々あったためである。日本の公正取引委員会については嫌疑不十分として制裁は見送られるとしているが、中国、欧州による制裁はこれからで、台湾においても控訴している段階にある。業績は3期連続赤字となっているが、前期の赤字幅が増加しているのは独占禁止法関連損失を計上したためである。今期も司法取引の成立により…
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