2016年6月22日 公開
ジャスダック上場の介護事業N社~決算短信を再修正へ
当社は平成28年3月期の決算短信を約1か月遅れで発表したものの、現在修正作業を行っており、近日中に修正したものを再リリースする予定である。通所介護施設におけるデイサービス(以下、「通所介護事業」)からスタートし、サービス付き高齢者向け住宅事業及び併設する通所介護施設におけるデイサービス(以下、「センター事業」)も手掛けるようになった。しかし「センター事業」への参入が大誤算で、入居率は向上しているとしているものの未だ初期投資を吸収できない状況が続いている。27年3月期は売上高こそ増収となったものの、売上総利益の段階で赤字。その後も赤字経営からの脱却に至らず、28年3月期第1四半期に債務超過へ転落し、第2四半期にはGC疑義注記が付けられた。抜本的な経営改善策として挙げられたのが祖業である「通所介護事業」の売却である。同事業の27年3月期における売上高は全社売上高の70%強に達する稼ぎ頭。この事業を今年6月1日付で譲渡するというもので、売却益34億円で資金・財務面とも一挙に解決するはずであった。ちなみに資金面についていえば、28年4月に取引銀行が債権譲渡登記を設定しており、急場を売掛金担保で資金調達して凌いでいたことが窺える(登記は事業譲渡が行われた6月1日付で抹消されている)。ところが、28年3月期の決算発表直前に監査法人から待ったがかかった。センター事業のリース物件について、従来オペレーティングリースとしてオフバランスで処理していたものを、ファイナンスリースとしてオンバランスで処理することを求められたのである。決算発表の延期はこの検証作業に膨大な時間を要したためであり、オンバランス化することで多額の減損処理が求められることにもなる。しかし…
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