2015年9月18日 公開
(株)ティオテクノ|佐賀県小城市
【業種】 化学工業製品製造
【倒産形態】 破産手続開始申立準備
【負債総額】 26億円内外
特別情報佐賀版(H27.9.15)で既報の当社は、9月18日付で事務所に貼り紙がなされ破産手続開始申立準備に入ったことが判明した。申立代理人は宮地 信太郎弁護士(宮地信太郎法律事務所、福岡県久留米市城南町20-3-1階、TEL 0942-30-8867)。負債総額は流動的ながら26億円内外が見込まれる。
売上高の90%以上を占める主力受注先であった(有)ケーテック(神奈川県)及びその母体の(株)イッコーズ(東京都、登記上:神奈川県)が9月7日、事業を停止し事後処理を弁護士に一任したこと(負債総額12億円内外(流動的))で大口の焦げ付きが発生。9月10日の決済が不調に終わり、9月14日には(株)ティオテクノの仕入れ先である協和産業(株)(大阪府、負債総額35億円内外)が破産手続開始申立準備に入ったことで今後の動向が注目されていた。
平成13年7月、佐賀市大和町において現代表が設立し、佐賀県が保有する「光触媒の液状酸化チタン」の特許の使用許諾を受け、平成13年8月操業を開始した。光のエネルギーで金属酸化物の周りに強い酸化力のある活性酸素を生み出し、汚れの原因となる油や有機物を分解する酸化チタンの作用を利用することで、汚れ防止用の塗料を開発。塗料は車の排ガスを浴びる高速道路の料金所や高層ビルなどで効果を発揮し、この他にも防臭・防カビなどにも利用出来る特長を生かし、自動車ディーラーやタクシー会社が採用。また、空気清浄機のフィルターなどにも利用され、「ベンチャーの希望の星」などとマスコミにも再三登場、知名度は大きく向上した。
平成21年7月には生産設備拡充に伴い、佐賀県小城市三日月町の不動産を購入し本店を移転したが、他社が「光触媒」関連事業に多く進出したこともあってブームは一段落し、一時、売上高3億円台にまで成長した当社の業績も徐々に縮小。平成23年3月期決算では5,729万円にまで減少した。平成25年3月に光触媒技術を随所に駆使したモデル介護施設を開設。ニーズが高い医療・福祉施設などへの売り込みを図ったが、光触媒事業は一進一退で推移した。そうした中、上述の(株)イッコーズが主導し電子基板用のキャリアフィルムの中間処理工程を始めたことで、平成26年3月期の売上高は9億9,053万円、直近の平成27年3月期は平成25年期の20倍強の22億9,973万円を確保するなど急成長を遂げていた。反面、急激な売上増に伴い資金需要は当然ながら旺盛となり、金融機関からの借入金だけでは対処しきれないなど、手いっぱいの運営が続いていた。
このような状況下、代表は9月10日の決済日当日「突然のことで何が何だか分からない。イッコーズとも連絡は取れないですし、弊社も今後どうしていいのか・・・」とコメントするなどあぜんとした表情を見せていた。建設中であった第4工場の工事も9月11日以降にストップしている。
業種 | 化学工業製品製造 |
倒産形態 | 破産手続開始申立準備 |
所在地 | 佐賀県小城市三日月町道辺1432-3 |
設立 | 平成13年7月 |
創業 | 平成13年7月 |
従業員 | 15名 |
代表者 | 森 繁章 |
資本金 | 7,600万円 |
年商 | 22億9,973万円(27/3) |
負債総額 | 26億円内外 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2015年09月15日
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