2015年5月1日 公開
江守グループホールディングス(株)|福井市
【業種】 化学・工業薬品卸
【倒産形態】 民事再生手続開始申立
【負債総額】 711億円内外
東証1部上場
名古屋支社情報会(H27.2.18)、特別情報名古屋版(H27.3.18)などで既報の当社は4月30日、東京地裁に民事再生手続開始の申立を行い、同日弁済禁止の保全命令及び監督命令を受けた。申立代理人は松嶋 英機弁護士(西村あさひ法律事務所、東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル、TEL 03-5562-8760)他11名。監督委員には須藤 英章弁護士(東京富士法律事務所、東京都千代田区麹町3-3 KDX麹町ビル4階、TEL 03-3265-0691)が選任されている。
明治39年3月に江守薬店の屋号で個人創業、昭和33年5月に法人化した老舗化学品商社で、当初は薬品や染料などの卸売りを目的として、北陸地区に拠点を構える企業を対象に営業してきた。また、平成8年ごろからは中国市場へと本格参入し、当初こそ日系企業向けに商材供給を行うにとどめていたが、そのうち中国現地企業との取引を開始。こうした現地企業からのニーズに沿う形で、鉄鉱石などの資源ビジネスにも傾注して規模を拡大していった。
中国における資源ビジネスへの参入が昨今の躍進を支えていたが、異変が発覚したのは平成26年10月。突如、「現地企業からの売上債権の回収に疑義が生じた」として業績の下方修正を発表。更に現地企業との取引について「実在性」や「妥当性」を調査するためとして、2月9日に予定していた平成27年3月期第3四半期決算の発表が遅延する事態となり、直後に銀行出身の財務担当役員が辞任していた。
3月16日に発表された同期決算では、貸倒引当金の積み増しなどで439億円内外の赤字となり、234億円内外の債務超過へ転落したことで経営危機が一気に表面化。ただならぬ状況と認識する関係者が日増しに増えていく中、4月末をメドとしてスポンサー選定作業を行い、同時に主力行から特別融資枠を設定してもらって取引先の理解を得ようと奔走するも、肝心の主力行の株価も当社の影響からか下落が続き、「銀行としても苦渋の決断が近いのでは?」との見方も多かった。
今回、持ち株会社についての法的申立と同時に、スポンサーとして医薬品メーカーである興和グループの興和紡(株)(名古屋市中区錦3-6-29)及び企業再生投資ファンドの(株)ジェイ・ウィル・パートナーズ(東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビルヂング北館15階)を選定、両社が運営管理するファンドが出資する合同会社江守コーポレーション(東京都中央区日本橋2-9-1)との間で、江守商事(株)をはじめとする各事業会社(8社)の株式譲渡を内容とするスポンサー契約を締結している。同契約の実行は5月29日を予定しており、譲渡価格は合計100億円内外。
名門企業とうたわれた当社の法的申立は、新幹線の開通やスポーツ界での活躍などこのところ明るい話題が多かった北陸地区であるが、地元経済界にとってはショッキングな出来事となった。
なお、平成27年の上場企業の倒産はスカイマーク(株)に続いて2社目で、負債総額(子会社の銀行取引などの保証債務含む)では今年最大となった。
業種 | 化学・工業薬品卸 |
倒産形態 | 民事再生手続開始申立 |
所在地 | 福井市毛矢1-6-23 |
設立 | 昭和33年5月 |
創業 | 明治39年3月 |
代表者 | 江守 清隆 |
資本金 | 17億9,428万1,600円 |
年商 | 2,089億2,672万円 |
負債総額 | 711億円内外 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2015年03月18日
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