2015年2月3日 公開
宇野(株)|大阪府箕面市
【業種】 繊維製品卸
【倒産形態】 破産手続開始申立準備
【負債総額】 21億5,700万円内外
特別情報大阪版(H26.1.7)、特別情報大阪版「関西注目企業」(H25.1.7)、繊維情報(H25.9、H24.11)、月例情報会(H25.7)、定例情報会(H26.2)他多数で既報の当社は、2月2日付で事業を停止し、事後処理を寺中 良樹弁護士(グローバル法律事務所、大阪市北区西天満2-10-2、TEL 06-6365-6154)他2名に一任、近日中に大阪地裁への破産手続開始申立準備に入った。
昭和23年6月に設立した地場中堅の繊維製品取扱問屋。当初は生糸や原糸などが中心の取り扱いだったが、業界の移り変わりと共に化合織原糸や不織布からニット生地、化合繊織物などを手掛けてきた。特に業容拡大のきっかけとしては大手繊維メーカー及びグループとの仕販に及ぶ太いパイプを築き、更に大手商社やスポーツメーカーにも販路を獲得、ピーク時の平成9年3月期には111億円を超える売上高を上げていた。
しかし、金融業界の淘汰(とうた)による不況を境に国内景気の低迷、大手繊維メーカーを含め相次ぐ海外への生産拠点の移転による国内需要の低迷の影響が重くのし掛かり、業容は悪化。打開策としてアジア圏からの安価な繊維製品の取り扱いに注力するなど事業再構築による再建を目指していたが、同業他社との価格競争の波は大きく売上高は右肩下がりで平成17年3月期には45億円内外、更に平成24年3月期には23億円内外まで低迷。利益面でも3期連続赤字に加え、子会社整理損やデリバティブ損による5億円を超える赤字計上で債務超過に転落するなど不安定な経営状況に陥り、リスケも実施していた。
その業容悪化の過程では、当社振り出しの額面数百万円から額面合計を含め数千万円の手形が市中金融筋で頻繁に散見されるようになり、その名宛人や裏書人との関係に不透明さが隠せず資金手形の可能性は否定出来ないとして資金化を敬遠され対外信用の低下も続いていた。
更に追い打ちをかけるように上述の当社振出手形の中で不透明さが隠せない手形(成因が前途金)に絡んでいた東京都世田谷区に本社を構え、特別情報はもちろん、繊維情報でも常連だった(株)ウェザーコーポレーションが平成25年11月に破産手続開始決定となるなどその影響が危惧された場面も見受けられていた。
一方、取引金融機関にも既にリスケ要請を実施し支援を仰ぐことで何とか復活を目指していたが、平成26年3月期でも売上高は16億円台まで低下したものの、利益面では平成25年3月期に続き何とか1,000万円内外の黒字計上ではあった。当該利益水準では多額の債務超過解消には程遠い中、平成27年3月期に入り引き続き取引行へは再支援を要請する傍ら新規の商材である冠婚葬祭関連の取り扱いを開始するが、昨今の円安による採算悪化は避けられず、先行き見通しが立たず万策尽き選択肢は法的申立しか残されていなかった。
業種 | 繊維製品卸 |
倒産形態 | 破産手続開始申立準備 |
所在地 | 大阪府箕面市船場東2-5-47 COM3号館4階 |
設立 | 昭和23年6月 |
創業 | 昭和23年6月 |
従業員 | 27名 |
代表者 | 山根 修 |
資本金 | 3,000万円 |
年商 | 16億1,765万円(26/3) |
負債総額 | 21億5,700万円内外 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2015年01月07日
2014年01月07日
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