2014年11月5日 公開
(株)ファーストカスタム|秋田県横手市
【業種】 キャンピングカー製造販売
【倒産形態】 破産手続開始決定
【負債総額】 15億6,600万円内外
仙台情報会(H26.3.13)及び特別情報仙台版「動向注目」(H26.4.28)で既報の当社は、10月31日の決済不調により同日事業を停止して、東京地裁に破産手続開始申立を行い、11月4日に破産手続開始決定を受けた。破産管財人は近藤 丸人弁護士(近藤丸人法律事務所、東京都中央区銀座1-8-21 第21中央ビル7階、TEL 03-3567-6261)が選任されており、負債総額は15億6,600万円内外が見込まれている。
現代表が自動車の板金工事業者として設立し、設立後10年ほどしてキャンピングカーの製造業者へと転身。高い製造技術が認められており、各種イベントにも積極的に出展し、本社がある秋田県内の他、関東、関西にも拠点を設けるなど同業界では国内上位企業へと成長した。
また、平成22年12月に中国から5年間で総額450億円(1,000台)余りの大口受注を確保。平成23年4月には中国向けVIP仕様車を北京モーターショーに出展し、平成23年12月より製造を開始し、台湾を経由して納品することとなった。
しかし、大口受注先である中国の会社からの準備金は6億円余りにとどまり、この資金で受注製造を行う自転車操業を強いられることとなった。そのため、採算ベースでは赤字を余儀なくされ、資金繰りも悪化。平成24年ごろには金融機関にリスケを受け入れてもらうことでしのいだが、この頃より受注先の中国企業内で派閥争いが発生したことなども影響して、回収計画が滞ることが頻発。資金繰りの悪化から、給与遅配なども発生し、取引先への支払いにも苦慮する事態となっていた。
更に今年5月に、当社に好意的だった中国会社の経営責任者が変更となり、当初は支払い・回収条件共に変更はないとのことだったが、次第に風向きが変化。元々、車を1台納品時に準備金の1/1,000を返済する予定を立てていたが、この割合が次第に増加し、経営責任者交代後の今年5月から10月までで、2億円余りが徴収されたとのこと。
この時点で、受注の70%を中国の受注先が占めていたことで、準備金支払いの増額に応じざるを得なかった模様。元々、回収資金の振り込みは月末だったようだが、常に3日から、長いときは10日ほどずれ込んでおり、受注先の経営責任者交代後はこれが顕著になり、毎月末に決済の不安を抱えていた。
毎月末、資金的にはギリギリの状況だったことで、当社側では顧問弁護士を通じて、仕入れ先などへこれ以上負債が増加することも憂慮し、万が一を考慮して法的手続きの準備はしていたとのこと。10月末の決済は1億1,000万円内外で、10月30日に4,000万円内外は振り込まれたが、残額に関して問い合わせをするも「責任者不在」を理由に話が進まず、ついに10月31日まで残額が振り込まれることはなく、法的手続きに踏み切った。
なお、代表は同時に破産手続開始を申し立てる予定で、社員に関しては技術力もあるということで、別の形で存続の可能性を探っていくとしている。負債総額のうち6億円余りは受注先の中国の会社分とされ、相殺される見通しもあり、実際の負債総額は債権者150名余りに対して9億円内外と会社側ではコメントしている。代表者は「責任は経営者の自分に全てある」として、現在、会社に常駐して取引先など関係各所への説明を行っている。
業種 | キャンピングカー製造販売 |
倒産形態 | 破産手続開始決定 |
所在地 | 秋田県横手市八幡字長者町25-1 |
設立 | 昭和57年12月 |
従業員 | 53名 |
代表者 | 佐藤 和秋 |
資本金 | 3,900万円 |
年商 | 23億4,300万円内外(26/6) |
負債総額 | 15億6,600万円内外 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2014年04月28日
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